田口裕一会長が総括する
CSPI 2026
認知と承認を与える、
これが展示会の本質。
1万人をブースに集めた今年のCSPI、
昨年までタグチブースの広さは35小間でした。それが2026年は80小間です。この大幅なサイズアップはそもそもどんな理由から?
「去年のCSPIの期間中、スタッフからあがってくる日報に一枚の写真があったんです。室内のデモンストレーション中に親子を撮った写真です。お父さんはスクリーンを見ていて、一緒にいる子どもはデモをやってる実機を見ている。ふたりがまったく違う方向を向いているんですよ。その写真を見て、これはいかんと。来年はスクリーンの前で実機のデモンストレーションをしなければと。そうすれば見る人がみんな同じ方向を向くことができる。今年のあの巨大なLEDスクリーンはそのために必要なものだったんです」
製品の展示スペースも去年までよりはるかに広かった。
「最初はうちの製品をもう全部置いてしまえと。今年はわたしのキャリアの集大成として臨んだので、それぐらいやってもいいかなと。結局全部は置けなかったんだけど。加えて、今年初めてオリジナル商品のショップスペースを設けたので、あれだけの広さになったんです」
幕張メッセの会場でのブースの位置はどうでしたか?
「これまでは1~6館が会場で、今年は新たに7館と8館が加わった。その7館と8館にブースがあったのですが、なにせ一番奥だから、会場に来たお客さんの、とくにVIPな人たちはうちにたどり着くまでにどこかのブースでつかまってしまうんです。そんな不利はありました。でも、会場の照明が1~6館は水銀燈だから暑かったのに対して、7館と8館はLED。クーラーが効いてすごく涼しかったのはよかったね。場所が悪くても来場者の足を運ばせることはできる。あの場所がタグチの定位置というのも悪くないと思ってます」
CSPIに限らず、タグチの展示会は他社とは異なります。はっきりエンターテインメントですよね。
「展示会では世界を回りました。ラスベガスもドイツも、ほかの大きな展示会もそれこそ何回も行った。それで展示会の本質がわかったんです。メーカーの新製品を見せる、これ違います。新しい製品がないから展示会に出ないという話もよく聞きますが、新製品がなくても成立するんですよ。大切なのは目立つことです。目立つことで認知してもらう。そして、もうひとつ大切なのが、来場する人に特別感を与えること。『このメーカーの世界に自分が関わっているぞ!』という感覚です。この認知と承認が出展者に必要とされる要素なんです」
今年はブースの来場者も1万人を大きく超えました。田口会長の今年のタグチブースの評価のほどは?
「わたしはブースを人でいっぱいにしたいわけじゃないんです。来た人にどれだけ特別感を抱いてもらえたか、それで評価が決まると考えています。そういう意味では、おおむねよい展示ができたと思っています」