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タグチ福山工場がついに稼働!

ものづくりの未来を拓く、新たな拠点がここに誕生しました。
タグチ工業 福山工場。その全貌をご紹介します。

長年の課題を解決に導くタグチの最新最大の工場

 南は瀬戸内海に面し、東は岡山県と接する広島県福山市。人口約46万人は、中国地方で第3位の人口を有する倉敷市(47万人)に次いで同地方4番目の都市に数えられる。古くからものづくりが盛んなこの地方都市で、2025年秋、タグチ工業の福山工場が本格稼働を開始した。

 新たな一大生産拠点と言って差しつかえないだろう。数ある工場のなかでも面積は最大。2021年竣工の大山工場をもはるかに凌ぐ広さがあるのだ(Chapter.2参照)。

90パレットのラックがついた加工機など省人化設備を初導入した大山工場。

 それにしてもなぜこのような巨大工場がいま必要だったのか。

 大きな理由のひとつに生産拠点の集約化がある。1990年代、アタッチメントメーカーとして台頭してきたタグチ工業は、2000年代にかけて急激に生産台数を伸ばしていった。それにつれて生産拠点も増えていくのだが、岡山の近隣エリアとはいえ、工場を「足し増し」していった感は否めない。福山工場が稼働する以前、岡山県内だけで9つもの工場が点在していたのだった。効率の悪さはいわずもがな。拠点の数を減らす工場の集約化は、タグチの長年の課題だったというわけだ。

 抱えていた課題はそれだけではない。

「いまの生産を半分の人員でまかなえないかと考えていた」と言うのは田口裕一会長だ。「これから少子化がどんどん進んでいく。でも、働き方改革で残業はさせられない。もちろん、従業員の給与レベル、生活レベルを下げることもできない。もう体制を見直すしかなかったんです。そうやって出来たのが大山工場で、DX化(デジタル技術を駆使して業務プロセスやビジネスモデルを根本から変革すること)の第一弾だった。ここで大胆な省人化やペーパーレス化を試みて、ある程度の成果が認められた。その体制をいろいろな面でさらに進化させた、それが福山工場なんです」

 タグチでは、大山工場は成功モデルと位置づけている。実際、あれだけの広さ(延床面積約9000平方メートル)をもつ工場を十名あまりの人員で稼働させているのだ。そんな大山工場で出来なかった試みがあった。無人搬送車「AGV」の導入である。

省人化をさらに加速させるAGVとロボットの導入

 半導体を製造するような工場ならいざ知らず、大きくて重量のあるものを扱う工場内ではフォークリフトの使用が常。事実、タグチの工場でもパーツや製品を載せたフォークリフトが忙しく走り回っていた。しかし、搭乗する作業員が必須ゆえ、彼らが定時で退社すると夜間の物資の運搬は不可能だ。加えて、工場内の美化の問題もあった。フォークリフトの使用にはタイヤ跡が床に残るという宿命があった。

 こうした諸問題をすべてクリアしたのが「AGV」だった。福山工場では1トンの荷重に耐えられる2台のAGVが、翌日の作業の効率をアップさせるべく夜通しパーツを所定の位置に運ぶ。床に貼られたQRコードを読み込ませることで走行順路を決定する新式なので、従来のAGVに付き物だった磁気テープやレールがなく、床はすっきりしている。

2026年には工場の屋上全面を覆う太陽光パネルを導入し、福山工場で使用する電力の約44%を補う。

 ここ福山工場ではさらに省人化の加速を目論んでいる。それがロボットの採用である。これまでもタグチ工業では溶接等産業ロボットを採用してきたが、福山工場では塗装用ロボットを初めて導入した。「塗装のものにもよるが、人的作業に比べて5倍から10倍のスピードアップが見込める」と田口会長は言う。時間が早いだけではない。ロボットは塗装のクオリティが安定しているという特長もある。

 これら省人化のための複数の対策が功を奏して、福山工場は現在、大山工場よりも少ない8名のスタッフで運営されている。しかしこの数字は暫定的。というのもまだ稼働していないエリアがあるのだ。来春からの稼働が決まっている熱処理工程がそれ。俗に「焼き入れ」と呼んでいる。カッターのブレードや圧砕機のツース(爪)の強度を高めるために施す浸炭処理のことである。フランスから炉を輸入して、これまで外注していた「焼き入れ」の工程を内製化に組み入れる。これが、省人化、AGVの導入とともに、福山工場における大きな特長のひとつとなっている。

 それでは次のページでさらに工場の紹介をしていく。タグチの最新工場の特徴をとくとご覧いただきたい。

FACTORY DATA

[名称]
タグチ工業 福山工場
[住所]
広島県福山市北匠町1-5
福山北産業団地内
[敷地面積]
22,050.40㎡
[延床面積]
13,433.00㎡
[構造]
鉄骨造平屋建一部二階建
[竣工日]
令和7年5月26日※竣工式実施

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