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特集奇跡の社内報『タグチ通信』のあゆみ

社外にとび出す社内報の評価はいかに!?社外から見たタグ通って?

自画自賛ではないんですよ。でもこの際だから言っちゃいます。
『タグチ通信』、かなり画期的なのです。なにが画期的って、社内報でありながら「社外の人たちにも読んでもらいましょう」っていうその態度です。
じゃあ社外の人たちからはどのように評価していただいているんでしょうか?
大学の先生に聞いてみました。

今回社外からの評価をきかせてくれたのは?

尾道市立大学 講師 博士(学術)

八木 力俊やぎ・りきとし

大阪府都島区生まれ、岡山市在住。愛知県立大学を卒業後、現在は尾道市立大学にて特任講師として勤務。専門は人的資源管理、キャリア開発、特に「自律型従業員育成」に注力した研究を行っている。近年では、「産業観光が従業員に与える効果」に関する研究を進め、学会発表や論文執筆を通じて成果を発信。組織開発やキャリアデザインにおける新たな視点を提供し、企業や教育機関の人材開発に貢献している。

社内報が社員に“企業の顔”としての自覚を促す!

『タグチ通信』を初めて手にしたのは、大学に近い海岸沿いのシェアオフィスだった。大手広告代理店が発行するフリーペーパーのようなインパクトのある表紙から、一見して企業の社内報とは思えなかった。紙面も同様で、色使いや写真の構図など、凡そらしく無い奔放な構成に目を惹かれた。何より企業の情報媒体でありながらそれに終始していない製作者のラディカルな意図を感じて快く思った。

 私は、組織や従業員の開発を研究テーマとしている。なかでも、従業員が自らのキャリアを振り返ったり、組織や仕事の意味を再確認したりするプロセスに注目し、それが組織コミットメントや組織への期待にどのような影響を及ぼすのかを研究対象にしている。

 一般的に社内報は、組織内の情報を従業員に伝えるためのツールとして活用されているが、『タグチ通信』は、そうした従来型の社内報とは一線を画すユニークな存在だと感じている。とりわけ注目すべきは、次の二つの特徴である。そしてその特徴こそが、組織と従業員の関係にプラスの影響をもたらす可能性を秘めていると私は考えている。

個人のナラティブ(物語)を大切にした記事構成

 多くの社内報は、企業理念や方針、活動状況を従業員に伝達することを主目的とし、製作側が選んだ情報を整理・編集した上で提供する。しかし『タグチ通信』では従業員自身の声が重視されている。各部署の社員が、自らの言葉で仕事や組織への想いを語るインタビュー記事が多く、従業員の視点が大切にされている。また、経営トップである社長自らがプライベートな志向や価値観を発信している点も興味深い。このような記事構成は、経営者や従業員個々の主観的な経験を尊重し浮き彫りにする。自分自身の経験を語ることで、自己理解が深まり、働く意義を再認識する機会が生まれる。また、他の従業員にとっても普段の同僚の考え方や価値観を知ることで、組織上での関わり以外の別の顔を知ることができ、距離を縮めたり相互理解を促進したりすると考えられる。

外部への情報発信

 もう一つの顕著な特徴は、社内報でありながら社外にも公開されている点にある。企業が自らの情報を外部に発信することにより、以下のような多面的な効果が期待される。

 まず、従業員にとって、自身の仕事や職場が外部から認知されることは、日々の業務の社会的意義を再確認する契機となりうる。とりわけ、外部からの肯定的な反応やフィードバックは、従業員の自己肯定感や職務への誇りを高め、結果として動機づけやエンゲージメントの向上につながる可能性がある。加えて、外部からの注目を意識することにより、従業員が“企業の顔”としての自覚を持ち、組織の代表者としての行動意識が育まれることも期待される。

 このような社内報のあり方は、従来のインナー・コミュニケーション(組織内部における従業員との情報交換)の手段としての機能にとどまらず、従業員のモチベーション向上とエンゲージメントの強化などの効果や、さらに企業文化の形成、組織と社会との関係性構築においても重要な意義を持つものと考えられる。発刊から10年を経た現在、『タグチ通信』が引き続き新たな意義を内包しつつ発展的に継続していくことを期待したい。

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